生の声で評価!「修習地・通信簿」(1)東京修習編

通信簿_東京編
合格者の方が、合格発表の感動に包まれていた時期も束の間、修習に向けて忙しく準備する日々を過ごされているかと思います。もっとも、実際の修習地の情報については、詳しい情報が乏しく、自分の修習先について不安を抱く方も多いと思います。
そこで、司法修習ドットコムでは、数多くの登録者の先輩方から、修習地についての「生の声」を集めてみましたので、今後シリーズで紹介していきたいと思います。
第1回は、大規模修習地の「東京修習編」です!

修習地・通信簿(東京修習編)※5段階評価

<修習の満足度について>

[総合満足度] 平均 4.1
[民事裁判] 平均 3.7
[刑事裁判] 平均 4.0
[検察] 平均 3.5
[弁護] 平均 4.0
[プライベート] 平均 4.1

東京修習の「修習地・通信簿」の平均点は上記のようになりました。
「検察」の点数がやや低く、「プライベート」の点数が高い傾向にあるのは、大規模修習地のために、どうしても修習生1人当たりの担当事件の密度が薄くなってしまう反面、修習の同期生と楽しむレジャーや飲食店などの環境が充実しているところもあるのでしょうか。
それでは、詳しい「生の声」を見ていきましょう。

[総合満足度] 平均 4.1

  • 「裁判官は、みなさん優しい方ばかりで、何も知らない修習生に色々教えてくれた。当事者を説得するためには、法律の知識はもちろん、人間的な魅力が必要と感じた。裁判官になって、転勤で全国に行けるのも、いいなと思った(70期台)」
  • 「民事、刑事共通で、言いたいことが自由に言えない雰囲気があった(70期台)」
  • 「実際に修習していた部が、民事部・刑事部共に裁判官の行動範囲が狭く、人と話す機会が期日に来た代理人程度であり、さらに評価も書面や事件の処理件数でなされることを知り、裁判官の全体的な仕事が自分の性分に合っていないと感じた(60期台)」
  • 「検察修習は内容の薄いものでしたが、全体的にみてやはり東京で修習できたのは良い経験になったと思っています(60期台)」

[民事裁判] 平均 3.7

  • 「民事については法的な知識を駆使するよりは、調整役として和解をうまく成立させて、『事件を落としていく』ことが重視されていたように思われた(70期台)」
  • 「特に民事裁判で顕著であったが、裁判官の生活は法廷と裁判官控室でほとんどが完結しているように思われた(60期台)」

[刑事裁判] 平均 4.0

  • 「刑裁の実務修習において、配属部の部長がすばらしく人格者であって、こういう上司の元で働きたいと思った(60期台)」
  • 「刑事については、否認事件はさておき、多くを占める情状事件については、量刑相場にそった無難な判断がなされていて、やりがいがあるのか疑問だった(70期台)」

[検察] 平均 3.5

  • 「検察修習、特に東京の検察修習は、人数が多いため、正直検察官志望以外にはやりがいのある事件は回ってこないこともありますし、暇な時間も多いです。その時間を暇つぶしに充てるのではなく、起案の勉強をすることで、集合修習が楽になると思います(70期台)」
  • 「東京での検察修習は、修習生の人数が多いため、総じて『薄い』ですが、その分たくさんの修習生と仲良くなる時間と場があり、一長一短だと思います。他の修習地では司法解剖が普通にあったみたいですが、自分は結局みられませんでした(70期台)」

[弁護] 平均 4.0

  • 「弁護修習が最も充実をしていました。弁護修習先は渉外系の大手事務所であり多くの弁護士と様々な案件を見させてもらい、また、多くの起案を経験しました。そこでお世話になった弁護士の先生方が能力も高く尊敬すべき方ばかりで、そういった弁護士になりたいと思い、弁護士志望の度合いがより高まりました(60期台)」
  • 「弁護士数が10-20人の事務所のボス弁についたので、依頼者から慕われ、頼りにされる姿を見られたのは印象的でした。その分、忙しく話しかけづらい面はありました。今思い返せばもっと積極的に質問をすればよかったなとおもいます(70期台)」

[プライベート] 平均 4.1

  • 「修習生が多いので多様性がある。人間関係に疲れない(70期台)」
  • 「司法修習では、できれば自分が行ったことのない土地で修習されると良いのではないかと思います。私は大学から東京におり、何となく東京修習を希望してしまいましたが、知らない土地の魅力を約一年かけて開拓するというのは、他ではそうできない経験だと思うので、若干もったいなかったかなと思っています(60期台)」

まとめ

以上が、東京修習についての先輩方の「生の声」でした。
大規模修習地ならではの良さもあれば、物足りなさもあるという感じが伺えました。
なお、仮にもう一度修習に行けるとしたら「東京修習」に行きたいという方の中には、「裁判所のスタンダードは東京のように思うから(60期台)」という意見もありました。

修習中の「家賃の平均」は「約8.7万円」でしたが、東京近郊に実家があり、そこから修習先に通う方もかなり多いようですね。
なお、「修習中によく行ったお店」として、主にランチでは、「法務省・東京地裁の食堂」や、「農林水産省の食堂」という意見がありました。こちらは修習生のランチの定番のようですので、修習の同期にばったり会うことができるかもしれません。

次回の「修習地・通信簿」では、第2弾として東京に次ぐ大規模修習地の「大阪修習」を取り上げる予定です。大阪に修習予定の方は、どうぞお楽しみに!

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