掲載日:2020年9月29日(火)
みなさん、こんにちは。残暑の厳しい日々から一転、雨の日も増えて、秋の気配のする日々が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
連載中の「修習生活も後半突入!今やるべき事は?先輩アンケート」ですが、「裁判修習編」「検察修習編」に続いて、今回は「弁護修習編」をお送りいたします。
修習先の事務所によって、事務所のカラーが異なり、弁護修習での生活は、まさに配属先の事務所・先生次第ということは多く、裁判修習・検察修習よりも、「運」の要素は大きいようですね。
それでは、以下、先輩方の「生の声」をお聞きください!
「配属先の弁護士のキャラクターにもよりますが、弁護修習が一番楽しかったという人は周りに多いです。何にでも積極的に手を上げて、業務も飲み会も全力でするのがいいと思います。将来の選択をするにあたっての参考にもなると思います。(60期台)」
「弁護修習では、裁判傍聴や法律相談等に限らず、フットワークを軽くして、可能であれば色々な活動に参加するとより業務のイメージがつかめますし、多くの弁護士と接することができるので、勉強になるかと思います。見てみたい事件等があれば積極的に伝えるのも大事だと思います。(60期台)」
「弁護修習の充実度は、指導担当弁護士の業務状況と修習生の意欲に大きく左右されると思います。他の弁護士への里親制度を希望したり、弁護士に対して事件に関する議論や質問を積極的に行ったり、弁護士会としての活動やそれに関連する懇親会にも参加してみると、弁護士の仕事をさまざまな面から知ることができ、面白いと思います。(70期台)」
上記のように、弁護修習では、業務として取り組む範囲も広く、また今後につながる交友範囲が広がる可能性も高いので、「積極的に行動すべき」「フットワークを軽くすべき」「できるだけ付き合いを良くすべき」といったアドバイスを他の実務修習以上に多くいただきました。
裁判修習や検察修習のように、この立場を経験できるのは、この修習の機会しかない、という意味合いは薄いかもしれませんが、そうはいっても、実際に法律事務所で仕事を始めると、自分の事務所の業務範囲や人脈の範囲でのお仕事が基本となりますので、弁護修習中には「浅く広く」であっても、気になることについては積極的にどんどんトライした方がよさそうですね。
「自分の興味のある分野については、早い段階から経験したいことを指導担当に伝えておくと良い。私の配属地域では『里子制度』があって、希望分野の事件を多く扱う事務所へ派遣してもらえた。(70期台)」
「指導担当の弁護士だけでなく,他の弁護士に『里子』に出してもらうと面白いと思います。また,自分は依頼者からのお金のとり方についてはあまり見れなかったのですが,もっと見ておくべきだったと後悔しています。このあたりも見れたら見たほうが良いと思います。(60期台)」
弁護修習では、自分と合う事務所・弁護士の先輩方との出会いが重要なために、「運の要素」も非常に大きいようです。そのような状況をある意味補完する制度として、配属先の法律事務所以外の法律事務所でも経験が積める「里子制度」を採用する配属地域もあるようです。
こちらの制度も、基本的には本人の希望次第というところのようですので、興味のある方は、積極的に手を挙げていく方が良いかと思います。
あとは、弁護修習ならではの「今やるべき事」について、ピンポイントでのご回答もいただいております。
「弁護修習先のボスの営業方法を学ぶべきだった。(60期台)」
「依頼人の断り方を教えてもらうべき。(70期台)」
「報酬の決め方やお金の回収の仕方等については、ほとんど聞かなかったのですが、今から思うとそれのポイントも教わっておきたかったです。(60期台)」
弁護修習の特色としては、やはり裁判修習や検察修習と違って、お金や経営にまつわる知識の習得について、「今やるべき事」として挙げられることが多かったです。
特に、終了後の「即独」を目指す方や、早めの独立を検討している人にとっては、そのノウハウを習得するだけではなく、自分の法律事務所の将来的なイメージを膨らませる意味でも、先輩の弁護士方からこういったお話を聞く機会は貴重といえそうです。
本来であれば、お金を払って聞くようなノウハウのお話も、自分の事務所で可愛がっている修習生に対しては、お酒の席(?)などでは、熱心に教えてくれる弁護士の先生も少なくないようです。
以上が、弁護修習について、修習中にやるべきことの先輩方の「生の声」でした。
今回まで、裁判修習・検察修習・弁護修習の各修習を通して「今やるべき事」について、シリーズでお伝えしてきましたが、それぞれの実務修習の期間もあっという間に終わってしまうため、とにかく積極的に自主的に動くべき、という意見が多くを占めました。
人見知りする方で、なかなかひとりでは動きにくい方もいらっしゃるとは思いますが、例えば同期の力を借りて、一緒にお話を聞いたりする機会をできるだけ作って行ってはいかがでしょうか。そうすれば、きっと同期との仲もより深まって一石二鳥だと思います。
今後も、このような先輩方の声が集まれば、こちらでもまた公開していきたいと思います。どうぞお楽しみに!