75期も実務修習開始!先輩から聞いた「実務修習のツボ」(3)弁護修習編

先輩からのアドバイス

 みなさん、こんにちは!冬の寒さも本格化してきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 北国で修習されている方からは、「初日から吹雪に見舞われて、心が折れそうになった」といった話も聞いたりしますが、慣れない生活でみなさん本当に大変だと思います。お疲れ様です。
 今回の特集では、前回に引き続き、先輩方から聞いた「実務修習のツボ」の第3弾として「(3)弁護修習編」をお送りいたします。
 弁護修習では、裁判修習や検察修習と比べても、修習先の個々の法律事務所の「個性」に幅があるため、修習の充実度や楽しさは、まさに「配属先の先生次第(相性次第?)」という事も多く、より「運」の要素は大きいようですね。
 そのような「運」を引き寄せる意味でも、今回は先輩方から聞いた弁護修習の「修習のツボ」をお伝えしたいと思います!

「修習のツボ」(3)弁護修習編

  • 「弁護修習の充実度は、指導担当弁護士の業務状況と修習生の意欲に大きく左右されると思います。他の弁護士への『里親制度』を希望したり、弁護士に対して事件に関する議論や質問を積極的に行ったり、弁護士会としての活動やそれに関連する懇親会にも参加してみると、弁護士の仕事をさまざまな面から知ることができ、面白いと思います。(70期台)」
  • 「配属先の弁護士のキャラクターにもよりますが、弁護修習が一番楽しかったという人は周りに多いです。何にでも積極的に手を上げて、業務も飲み会も全力でするのがいいと思います。将来の選択をするにあたっての参考にもなると思います。(60期台)」
  • 「弁護修習では、裁判傍聴や法律相談等に限らず、フットワークを軽くして、可能であれば色々な活動に参加するとより業務のイメージがつかめますし、多くの弁護士と接することができるので、勉強になるかと思います。見てみたい事件等があれば積極的に伝えるのも大事だと思います。(60期台)」

 弁護修習は、実際に触れることのできる業務の範囲が広く、また弁護士の先生方をはじめとして、今後につながる交友範囲が広がる可能性も高いので、「積極的に行動すべき」「フットワークを軽くすべき」「できるだけ付き合いを良くすべき」といったアドバイスを(他の実務修習以上に)多くいただきました。
 実際に法律事務所で仕事を始めると、自分の人脈が広ければ広いほど、将来的な業務の範囲も広がると思います。弁護修習中には「浅く広く」であっても、気になることについては積極的にどんどんトライした方がよさそうですね。コロナ過でもあるので、より積極的な姿勢が、周りとの差をつけるような気がします。

  • 「自分の興味のある分野については、早い段階から経験したいことを指導担当に伝えておくと良い。私の配属地域では『里子制度』があって、希望分野の事件を多く扱う事務所へ派遣してもらえた。(70期台)」
  • 「指導担当の弁護士だけでなく、他の弁護士に『里子』に出してもらうと面白いと思います。また、自分は依頼者からのお金のとり方についてはあまり見れなかったのですが、もっと見ておくべきだったと後悔しています。このあたりも見れたら見たほうが良いと思います。(60期台)」

 弁護修習では、「自分にあうかどうか」という意味で、事務所や弁護士の先輩方との出会いが重要なために、やはり「運の要素」が非常に大きいようです。
 そのような状況を補完する制度として、配属先の法律事務所以外の法律事務所でも経験が積める「里子制度」を採用している地域もあるようです。もっとも、この制度も、基本的には本人の希望次第というところのようですので、興味のある方は、積極的に手を挙げていく方が良いかと思います。

 あとは、弁護修習ならではの「今やるべき事」について、ピンポイントでのご回答もいただいております。

  • 「弁護修習先のボスの『営業方法』を学ぶべきだった。(60期台)」
  • 「依頼人の『断り方』を教えてもらうべき。(70期台)」
  • 「報酬の決め方やお金の回収の仕方等については、ほとんど聞かなかったのですが、今から思うとそれのポイントも教わっておきたかったです。(60期台)」

 弁護修習の特色としては、(裁判修習や検察修習と違って)「お金」や「経営」にまつわる知識の習得について、「今やるべき事」として挙げられることが多かったです。
 特に、終了後の「即独」を目指す方や、早めの独立を検討している人にとっては、そのノウハウを習得するだけではなく、自分の法律事務所の将来的なイメージを膨らませる意味でも、先輩の弁護士方からこういったお話を聞く機会は貴重といえそうです。
 本来であれば、お金を払って聞くようなノウハウのお話も、自分の事務所で可愛がっている修習生に対しては、(お酒の席などでも)心を開いて熱心に教えてくれる弁護士の先生も少なくないようです。

まとめ

 以上が、弁護修習について、先輩方から聞いた「修習のツボ」でした。
 今回まで、裁判修習・検察修習・弁護修習の各修習を通して「修習のツボ」について、シリーズでお伝えしてきましたが、どの実務修習もあっという間に終わってしまうため、とにかく「積極的」に「自主的」に動くべき、という意見が多くを占めました。
 修習生の中には、人見知りでなかなか自分からは動きにくい方もいらっしゃるとは思いますが、例えば同期の仲間の力を借りて、一緒にお話を聞いたりする機会をできるだけ作ったりしてみてはいかがでしょうか。そうすれば、きっと同期の仲間との仲もより深まって、一石二鳥だと思います。

 コロナ過での大変な修習生活だと思いますが、このような先輩方から聞いた「修習のツボ」を参考にして頂いて、みなさんの修習生活がより充実したものになることを祈っております!

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